JR京都駅改札口
観光客
学生
生徒
子ども連れの家族
二人連
一人客
ありとあらゆる組み合わせ
後から後から人が出入りする
春は爛漫
私の目をひいたのは
改札口に向かいふりかえる人に
手をふりながら
涙をながしている婦人だった
旅立つ人の見送りのようであった
春こそは別れの季節
過ぎし年
1月 母が死に
2月 雪が神戸の町にふりしきり
3月 神戸発京都行き電車が
芦屋駅に停車したとき
鉄道ダイヤの
あまりの時間の正確さが
失われたものを思い出させた
春が来たとて
何うれしかろ