さあ夕飯の買い物に出かけなくては
腰をあげた母に向かって
お母さん
行かないで
外は暗くて雪が舞い始めてる
ボクはひとりでさびしくなるから
きのうの残り物を食べようよ
私は年老いてしまったから
さあ逝かなくては
お母さん
いかないで
いかないで
ひとりで生きていける
そんな年にはなっていても
ボクには代わりになるような友達もいない
どこまでも続く
果てしない雪原をマフラーを
巻いた母がただひとり歩いていく
遠い所へいってしまう母の
姿がいつまでも見えるのであった