インターネット美術館(2021年1月5日)

昨年の8月から12月まで

インターネット上に

美術館を作ることに時間を割いた。

亡くなった妻の父親の描いた絵画を

のせたホームページを作った

もっとも実際の制作は亡妻の次兄が

ほとんど独力でおこなった

題して

柿本胤二美術館

https://www.taneji-art.com/

1944年から45年にかけて

太平洋の島、メレヨンで兵隊をしていたときの

思い出を描いた絵を収めてあるもの

ご覧いただきたいと思う

年賀状(2021年1月11日)

今年の年賀状にはこんなことを

書いた

去年、印象に残った言葉

A?医師 「これからの望みは?」

Bさん「望みはとくにないですね。

でも人の心の中に生き続ける存在でいたいですね」

Bさんはある難病をわずらっている人です。

鳥(2021年1月4日)

葉っぱが落ちた木に

鳥が飛んできては止まる

見慣れた光景で

当たり前過ぎて、何も思わないのだが

今日と言う日

ああ、そうなんだ

鳥は体一つで生きていくんだと

しみじみ思った

衣服、持ち物、何もなく

餌から餌への旅暮らし

せめて巣でもあるのだろうか

羽が痛めば修復は不可能になり

飛べなくなれば一巻の終わり

元旦(2021年1月1日)

一人で迎える元旦なので

おせち料理も

雑煮も廃止する

と決めていたら

思いがけず

差し入れをいただいた

くわいまであった

いつの正月だったか

妹がいて

「私、くわい、好き」

と言う

あれあれ、僕も好きだし、

やっぱり似ているんだと

妙に感心したことを思い出した

こんなにおいしい食べ物なのに

だんだんすたれていくのはさみしい

大晦日(2020年12月31日)

去り行く年が愛おしく

12月のカレンダーをピリッと

破るのが切なくて

午後10時を回るころ

びりっと破った

除夜の鐘は聞こえるのだろうか

今年は打たないかもしれないと

寝床で考えるともなく考えた

やがて眠りに落ちるころ

聞こえてきた

聞こえてきた

鐘の音が

念ずれば花開く(2020年12月6日)

美しすぎる言い回しに

かえって反発してしまっていた

何に念ずるのか

何を念ずるのか

読者まかせなんだろうかと

今日という日に

偶然友達としゃべっていると

友達の考えをきいた

それはね

恩寵ということなんじゃないかな

自分ひとりの力は小さいもの

補ってくれるものが要る

恩寵って言うんだ

授けてくれるもの

恩寵がいつもどこかにあることを

知ること

いつもは酔っぱらってダジャレを

飛ばしている人にしては

いいことを言うな

年の暮れだからさえていたのかもしれない