エサになるような物が何もなくて、
食事中のこちらを見ては、悲しそうな声で鳴く。
空腹を訴えるような目つきとしぐさ。
こんなでき事も偶然なのか、それとも必然なのだろうか?
今朝、通勤の道で知り合いのOさんに出会った。
京都に来ることが決まり、家探しをするとき、
空き家を見つけてくれた人だ。
その竹林に囲まれた空き家が気に入ってというよりも
空き家のあるあたりの風景が気に入って、
ついに今の住処を見つけた。
もしOさんが家探しをしていなかったら、家探しを
しても竹林に囲まれた家が空いてなければ、
おそらく今の住処には至っていなかっただろう。
これは偶然なのだろうか、それとも必然なのだろうか?
数年前、Oさんが田中クリニックにやってきて、
「寝れないよ。先週、兄貴が死んでしまった。
死に際に大きな息をしていたのを思い出したら、
寝れなくなった」
ふだん威勢のいい人なのに、憔悴した様子だった。
この人にも、死ねば泣くようなお兄さんがいたのだ。
人の心を感じさせられたときだった。