最後に指切りをしたのはいつだったろう
最後に指切りをしたのは誰とだろう
何度も何度も指切りをしておくのだった
夕焼け空を振り返るように
最後に指切りをしたのはいつだったろう
最後に指切りをしたのは誰とだろう
何度も何度も指切りをしておくのだった
夕焼け空を振り返るように
いとし子をそうするように
いとしい人をそうするように
夕焼けを抱きしめてみたい
艸って漢字は何て読む?
くさ
って読むんだよ
ようく見てみると
くさがはえているかっこうをしている
カエル鳴き 眠りの底へ 沈みゆく
傘一つ 小雨を歩く きみとぼく
月曜日 仕事へ行き
火曜日 図書館に行き
水曜日 森のなか
木曜日 仕事へ行き
金曜日 畑仕事
土曜日 海浜を歩き
日曜日 思い出にひたる
おさない女の子が
母にてをひかれて
みちを歩いている
お母さん
わたしはいつまでも
手をつないでいたい
ずっとずっと
いつまでも
約束してね
手を放さないって
雨が近いのだろうか
風が吹く
やんだかと思うと
そっと風がしのびよる
父母が手招きをしている
早くこちらへ
おまえを待ってる
その目は悲しげにも
やさしげにも
見える
早くこちらへおいで
雨脚が弱くなり近所の喫茶店へ向かった
禁煙になったせいで客は少なく
雨のせいでいっそう少なく
空席が目立った
窓際の席に座ると
年配の男が二人でやってきた
「わいらはもう生きる力はないけんね」
「そうやもういらんそんなもん」
「そうはゆうてもわいは雨に弱いわ 生きる力はゼロや」
「わいかてそないや」
「晴れの日に生きる力は誰にもあるもんや
雨の日こそ試されるんや」
いれたてのコーヒーの香りがして
三十の坂をこえたばかりに見えるウエイトレスが
足取り軽くカップを運んできた
話題の映画を見た
子役のかわいらしいこと
食べるシーンの多いこと
カップめんを食べているのが
貧しさの表現なのか
小さな女の子の母になりたかったのだろうか
演技とはいえ、愛情を感じさせられた。
反面で、小さな男の子お父親になりたかったのだろうけれど
やや表現力がものたりなかった。
ひょうひょうとしすぎていた
生みの親より育ての親
遠くの親戚より近くの他人
そんなあたりまえのことを
思い出さされた
サッカー経験もないし
そのことを悔いもしないし
ただの見物人である
屈強の男たちの肉弾相打つ闘いには
心を揺さぶられる
昔語りをしてしまうなら
ベンハーというローマの戦車の
闘いの映画があった
戦車の器械美、男たちの身体能力、
魂をこめた闘い
そんな映画が想い出される