伊勢神宮 二見ヶ浦(平成26年2月2日)

伊勢神宮と言えば私には楽しいとは言えない思い出がある。

修学旅行に行けなかった生徒がいる。

昔も今もそういう事情は変わらないはずだ。

私もそんな生徒の一人だった。

小学校6年生。目的地は

伊勢神宮と二見ヶ浦だった。

流行病にかかり、1か月間学校を休んでいるうちに

級友たちはお伊勢さんに行って帰ってきたのだった。

幼児のころに始まっていた夜尿症はなかなか治らず、

小学校3年生になった頃から、6年生になったら

修学旅行に行き一泊することがこども心に

悩みの種だった。

ふだんは忘れていても何かの拍子に

思い出されるのであった。

そういうこども心にとって

行かずにすんだことは安堵と言えば安堵だった。

不参加の残念さよりも安堵の方がまさっていた。

病気がなおって1か月ぶりに登校した日のこと。

数人の女の子たちのグループがおみやげにと言って

お菓子や絵葉書をくれた。

その子たちは日ごろ、宿題をし忘れたといっては

廊下に立たされるのが常だった。

今の私は思うのだ。

廊下に立たされたその女の子たちは

どんな気持ちでその時間をすごしていたのだろう。

そして今、どうしているのだろうと。