地域ネコがときおり、ふらっと立ち寄るので、
あるとき、煮干しを金属製の皿にのせておいた。
小さなサカナが乾燥して、からからになったものを
ネコは好むようだ。
しばらくして皿に目をやると、すっかり煮干しは
なくなっていた。
煮干しの皮が皿に残っていて、アシナガバチが飛んできた。
しばらく皿の上を旋回して、降りてきたかと思うと、
煮干しの皮を口にくわえて、飛び上がろうとした。
ところが、皮が重たすぎるようで、皿の上10センチ
までしか飛び上がれない。
そこで、もう一度、皿に降りて、
もっと小さい皮を口にくわえた。今度は軽々と
飛び上がり、どこかへ消えて行った。
えさにするのか、それとも巣を作る材料にするのか。
帰り道はしっかりと記憶していて、迷いもせずに
飛んで行ったのだろう。
砂糖粒のひとつよりも小さな脳なのに、
なんと優秀なのだろう。