名も無い町に住む高校生二人
この男女は同じ高校にかよい
恋仲なのだ
学校は休校
おまけにステイホームで
会うことができない
知恵を絞り
ジョギング姿で夕方に
公園で会うことを決めた
ジョギング姿でそれぞれが
公園に向かった
誰もいないのを確かめてから
ブランコに乗った
ゆらりゆらり
二つのブランコが同期して
揺れながら
話し合うのだった
「私たちはどうなるんだろう」
「わからない」
「不安だな」
「不安だわ」
「ただ私たちが愛し合っていること。
このことは絶対に間違いはないの」
「何がどうなったって、これだけは間違いがないのよ」
ブランコが止まり
二人はめいめいの方角へと
走り去った