今頃、どこの村の畑のあぜには
菜の花が咲きほこっているだろうな
黄色の花と淡い緑の葉が風に揺れているだろう
都会に暮らす者たちの食卓に
おひたしとなって
並べられる
その苦味、その春の香り
幼い子にも
苦味がわかるのだろうか
苦労多い父親は思うのだった
今頃、どこの村の畑のあぜには
菜の花が咲きほこっているだろうな
黄色の花と淡い緑の葉が風に揺れているだろう
都会に暮らす者たちの食卓に
おひたしとなって
並べられる
その苦味、その春の香り
幼い子にも
苦味がわかるのだろうか
苦労多い父親は思うのだった
マッチ棒を束ねたような
イソギンチャクの触手のような
不思議な形の野菜
これが一番好きな野菜
暖かい午後
風もなく ふらふらと歩いていたら
こんなレモンを見つけた
すっぱいので鳥は実をつつこうとせず
きれいな形でぶら下がっていた
この季節、かんきつ類が次々と産地から
都会のスーパーに届く
みかんのマーチみたいに
不知火(しらぬい)
清見オレンジ
甘夏
はっさく
甘くて さわやかで すっぱくて
ひととき
みかんのなかに我を忘れる