外は雨
篠突く雨が窓ガラスを流れる
眼下に広がる入江が見えない
あなたとわたし
窓際のテーブルをはさんで
話すこともなく
ガラス窓を流れる雨粒を見ている
時折の言葉に耳を傾けて
幼き日の魂を感じてしまう
外は雨
篠突く雨
外は雨
篠突く雨が窓ガラスを流れる
眼下に広がる入江が見えない
あなたとわたし
窓際のテーブルをはさんで
話すこともなく
ガラス窓を流れる雨粒を見ている
時折の言葉に耳を傾けて
幼き日の魂を感じてしまう
外は雨
篠突く雨
どんな顔にも幼心が見え隠れする
この人はきっと5歳のころ、10歳のころ
こんな顔つきでこんな表情でいたのだろうな
人はなんと年をとらないのだろう
暑くけだるい昼下がり
意気が上がらず消沈の時間
こんな時があるものだ
こういう時こそ
心をば鬼にして
心のエネルギーをくみ上げる
するとふしぎ
力というものが
よみがえる
サッカー経験もないし
そのことを悔いもしないし
ただの見物人である
屈強の男たちの肉弾相打つ闘いには
心を揺さぶられる
昔語りをしてしまうなら
ベンハーというローマの戦車の
闘いの映画があった
戦車の器械美、男たちの身体能力、
魂をこめた闘い
そんな映画が想い出される
腹いっぱいに食べた
寝ざめようの食糧もためた
穴も掘った
さあ寝るぞ
私や熊になりたい
デッキチェアに陽射しがさす
あたたかな木に横たわり
眠りをむさぼる
日は空高くに止まったかのように
猫の横顔にふりそそいでいる
私や猫になりたい
ねむの花
合歓の花
あいよろこぶ花
言葉がきれい
きれいすぎて恥ずかしい
ねむりの花
行先の見えない暗い底へ
眠りの花
静かに深く落ちていく底なしの沼へ
再び京阪神地区に大きな地震のあった日だ
電話、メール、LINE
見舞いの言葉が届けられる
それは一瞬の光として心に届く
届いたと同時に消えている
夕焼けの流れ星ははかなく消えて
あとかたもない
6月には祝日がない
なぜだろう
夏至こそ祝いたい
それはさびしい日でもある
昼間が短くなる
気温はさらに暑くなる
来年の夏至を待つ日の始まり
生きていなければならない
柑橘と書いて
かんきつと読めない人が多い
忘れられた漢字の多いこと
みかんは蜜柑
橘はたちばなと読んでもらえないだろう
読めても書いてはもらえないだろうな
雛人形の飾りに使われ
左近の桜 右近の橘
冬のみかんから始まり
伊予かん ネーブル
清見オレンジ
河内晩柑
夏みかんへ
一年中絶えることのない柑橘類
一個の柑橘を半個に割り
朝の食卓のはじまり
五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする
古今和歌集の頃と変わらず
みかんの花の香りは今も
人をひきつける
東京から京都へ
京都から東京へ
バスあり自動車あり電車あり
より取り見取りのこの時代
新幹線
車中の人となると
することが何もない
トラックで運ばれる荷物みたいなものだ
隣席では
弁当をひろげスマホをいじり
合間に缶ビールをちびちびと
憩の時間なのだろう
同時並行でできるのはみっつまでなんだ
さらに4つ目のことはできないのだろうな
と思っていたら
弁当をたいらげ缶ビールをのみほし
スマホを置いて
すやすやと眠り始めた
四つ目は眠ることだったのだ