空高く羽をうち舞うオオワシは言う
空を飛べることさ
海を深く浅く泳ぐ魚は言う
海を泳げることさ
地上を歩き回るヒトは言う
どこまでも遠く歩けることさ
空高く羽をうち舞うオオワシは言う
空を飛べることさ
海を深く浅く泳ぐ魚は言う
海を泳げることさ
地上を歩き回るヒトは言う
どこまでも遠く歩けることさ
頭は重く胃も重く
つらい朝を迎えた
ちょっと身の置き所がない感じで
庭の落ち葉集めをすることにした
10月の台風が杉を揺さぶり
枯れた葉を大量に落としたのだった
作業をしては一休み
一休みしては作業を
繰り返すうちに夕方が来た
ようやく頭や胃が普通に戻ったのだった
島根県松江市で開かれる学会に出席することになった
新幹線で京都から岡山へ
特急で岡山から松江へ
どうってことない時間と距離なのに
頭痛がだんだん強まって
帰り道では頂点に達した
乗り物酔いは苦しいものである
とくに特急に乗ると
決まって起きる
こんなわけで
京都から特急に乗って行くところは
天橋立も金沢も和歌山も
二の足をふんでしまう
それは私に
吐く息にも
吸う息にも
つきまとい
かたときもそばを離れることがない
この私の悲しみは
誰にもわかるまい
けれど
誰にもわかってもらえないことを
私は悲しまないのだ
それは私の大切なものだから
誰にも知られず
この悲しみとともに
生きていこうと思う
台風のあと
青空に雲がくっきりと浮かぶ
風とともに
とある男が舞い下りて
こんなセリフを言い捨てて
また風とともに失せていった
背が高いだって
それがどうした
背が低いだって
それがどうした
はげてる
ふとってる
目が小さい
それがどうした
そういう問題じゃなくて
じゃあ
何なのさ
力をつくして生きること
力のかぎり生きること