関ヶ原(2017年9月25日)

珍しく映画を映画館で見た
関ヶ原
画面がどの場面も美しく
それだけでも十分満足した
ことに関ヶ原のススキの群生の
間を馬でかけるシーン

ところが
俳優の早口がこれはいけないと
思った
何を言っているのか
はっきりとはわからない
道理で評判にもならず
客席は人の姿がまばらである

石田光成の生涯を描いた内容で
知らないことが多かった
ひとつ発見したことがある
それは
大名というのは一種の軍事政権であること
つまり
軍人が民衆を統治しているのである
日本史では
こんな言い方はしなかった
けれど
どう考えても
織田、豊臣、徳川
軍事政権そのものである
いいとか悪いとかは
わからない

けれども確かなことは
そういう軍事政権が日本を統治していたから
欧米の進出を阻み
独立を維持できたこと
中米、南米では原住民は全滅させられた
日本はそうならなかったのは
ひとえに軍事政権のおかげである

肖という字(2017年9月24日)

なぜか肖という字が気になって
肖という字はどんな意味なんだろう
消えるという字に含まれる
しかもサンズイが付けられている

不肖の息子と言われるときには
不がついて否定されるのだから
肖はきっといい意味なんだ

削るとなると
右側が刀

とやかく言わないで
白川静を見てみたら
肖は似るだって
だからそっくりに描けば肖像画なんだ
不肖の息子は親にちっとも似ていないこどものこと

ニトリとユニクロ(2017年9月23日)

すっかり定着した家具メーカーが
ニトリだが、
会社名が創業者の名前にちなんでつけられたことは
意外と知られていないようだ。
ニトリが名前だと聞くと
似鳥か煮鳥かどっちだろう
こう思うだろう
正しくは似鳥の方である。

その一方でお家騒動でニュースに
しばしば登場するのが大塚家具で
こちらは高級路線だとかいう。

どちらが売れているか、勝負ははっきりとしていて
ニトリの勝ちである。
いつの日か
日本中の家具がニトリという日が来るに違いない
もう逆らえない流れなので
何を言ってもムダだろう。

それでも思うのは
何と味気ないことだろう。
日本中で 世界中で
家具はニトリ
服はユニクロ
個性の尊重だ 自由だ
と求めた結果が
この同一性

ひとはいくつになっても美しい[2017年9月21日)

こんな題名の本がある
実在の91歳のモデルが
書いた本である
カバーには著者の写真が
使われている
確かに題名のとおり

美しさは一面では
顔立ち、頭の形、髪の綜合で決まるのだろう
なかでも
頭の形がけっこう大切な要素ではあるまいか

それだけではないのが
人間の美というものの面白さである
表情
気迫

信念
偽りのなさ
心の反映が
美しさを感じさせる

花は白(2017年9月20日)

色とりどりの花は美しい

それでも白い花の美しさには

とうていかなわない

一口に白と言っても

色合いの微妙なちがいがあって

それぞれに美しい

ところで

ある男が

恒例の市に行って花を買い求めてきた

毎月21日に開かれる弘法市である

熱心にすすめられて

見事なまでに美しい欄であった

夜は室内に置き

昼間には太陽の光に当て

水やりもほどよくおこなった

ためつながめつ

その美しさに心から満足をおぼえた

妻も同調し

夫婦二人がともに

よい買い物をしたと喜んだ

ところが

ある日、隣の婦人が来て言うのだった

それは本物の花とちがうわよ

造花でしょう

夫婦は驚いた

仔細に見れば本物そっくりの造花だと

わかったのだった

悔しくて悔しくて

本物のにせ物と

つぶやくしかなかった

 

小さな習慣(2017年9月19日)

コーヒー豆を電動ミルでひき
紙フィルターでこす
すっかり習慣に組み込まれて
体にしみついている
コーヒーがこぼれて
白いテーブルクロスにしみついたように

マグカップやたまにのむ紅茶茶碗を
洗うこともなぜか大好きだ

雨の日(2017年9月16日)

台風が近づいてくる
雨が朝からふりそそぐ
空はどんより
こういう日こそ
心までどんよりしてくるのを
こらえなければならない
こらえれるかどうか

見渡せば
この時期に落葉する木があり
その新緑が目にしみる
ガラス窓をふく人がいる
顔が写るくらいぴかぴかだ

インパルス(2017年9月10日)

京都駅から西宮駅へ

JR新快速に乗りこんだ

土曜日の午後、車内はすいていて

運よく座席に腰掛けることができた

高槻、大阪、尼崎

列車は東海道線をひた走る

西宮駅で停車しないのを知らなかったため

芦屋まで行き引き返して

西宮駅で下車となった

当然に新快速は西宮駅に停車するという思いこみが

わざわいしたのであった

国道2号線が西宮駅前をとおり、

国道沿いに飲食店や種々の店が並び

賑わいを作っていた

阪神電車が走っているのが見えた

地図を見れば阪急電車の西宮北口も至近距離にある

周辺は市役所があり端整な街並みとなっている

時間があれば界隈を歩きたい

インパルスが走った

卒業した小学校へ大人になってから行くと

その狭さに驚かされた

卒業した大学へ何十年もたってから行くと

その狭さに驚いた

今はどこかへ行くと

その狭さに驚いてばかりいる

京都も神戸も西宮も

なんと狭い町だろう

というより

日本そのものがとても狭く感じてしまうのだった

二人三脚(2017年9月8日)

運動会シーズンなので

したことがあったなと思い出すのは

二人三脚

あれは運動会でしか見られないものだ

ところが

ふだんでもよく耳にする言葉だ

二人三脚でやってきましたとか

よく考えると

二人三脚をしたら

一人分の力よりもかえって小さくなってしまう

だからあれは罰ゲームとか

余興のたぐいではあるまいか

もしほんとに二人三脚が能率的で

二人の力が倍増するのなら、

道を歩く人のみならず

いたるところで

二人三脚をしている姿を見るはずだ