人は二度生まれる
一度目は愛される存在として
二度目は自らが愛する存在として
愛される存在として生きることは
安楽でありかつ苦渋に満ちている
それならば
愛する存在として生きることは
いかに
人は二度生まれる
一度目は愛される存在として
二度目は自らが愛する存在として
愛される存在として生きることは
安楽でありかつ苦渋に満ちている
それならば
愛する存在として生きることは
いかに
風が道路のほこりを舞い上げて
ポリ袋が飛ばされていく
こんな強風の日には
沖縄も寒かろ
海から冷たい風が島を軽々と
渡っていく
こんな夜には沖縄も寒かろ
なんと本日の最高気温は15度
当地の住民にしてみれば
思わず背をすぼめるほどの冷えようだ
まして日暮れがくると
沖縄の夜は寒かろ
時は過ぎて
今夜
地域ネコが討ち入りする
夜半に集結し
勇ましく行進する
鉢巻をし
のぼりを立て
旗をふって
どこへ
それは計り知れない
おそらくは
食べ物を蓄えている冷蔵庫へ
いちに いちに
地域ネコが早朝から行進する
きょうは会議があるらしい
家ネコがこたつで寝ている頃
寒風ふきすさぶ中
いちに いちに
地域ネコは行進し会議を開く
あのな
今度からな
12月はな
師走というのはやめてな
ネコぱっしり
いうことにしような
そう猫走
関西弁を話すねこの会議で
こう決められたのだった
その頃
電池を買いに
コンビニへひた走る男がいた
猫走12日の朝のことであった
きょうはバッテリーの日なのであった
なんの役にも立たないけれど
砂浜をひとり歩いてみたい
どこへも行きつかないけれど
あてもなく
砂浜をひとり歩き続けてみたい
思い出の一シーンや忘れれられない言葉の
断片が浮かんでは消え浮かんでは消えていくだろう
浜辺に打ち寄せる波に合わせて
3歳 虹を指さして
にじと言えた
5歳 虹を見ては
駆け出した つかめると思っていた
18歳 虹を
忘れてしまった
20歳 きみがきれいな虹を見たと言った
22歳 虹を見るたび
きみを思い出すのだった
年年歳歳
したいことが後景へ退いて行き
年年歳歳
せねばならぬことが前景へせり出し
年年歳歳
自分の意志はいらなくなり
年年歳歳
運命を知るようになる
自らの力で飛んでいるのか
それとも
風に流されているだけなのか
鳥の飛行は神秘である
この季節
つばめは集合地点に集まり
南へ飛び立つ日を待つ
ようやく一人前になった新米つばめも
初飛行をするのだ
方角、日程、目的地はすでに決まっており
考える余地は何もない
神は私の意志を必要としない
つばめにこそ当てはまる
人もそうでありたいのだが
神は私の意志を必要としない
運命がすべてを決めているのだから
もしきょうが最後の一日だとしたら
ぼくは何をするだろう
いつものように
朝、仕事が始まる
きょうがその最後の日だとしたら
ぼくはどんな働きをするだろう
落ち葉をはいたり
枯葉をみので片付けたりする
秋の最後の日だとしたら
ぼくはどんな気持ちでそうするのだろう
もしきみと話す最後の日だとしたら
ぼくは何を聴くだろう