遅れてきた青年(平成26年7月3日)

郊外でのあいびきの次の日

バザールの賑わいが聞えてくる

街中のカフェで待ち合わせることに

ふたりは決めた

娘は青年に心をゆるした合図を

送っていたのだが

鈍感な青年は合図に気がついていなかった

青年は待つのだが

娘はいっこうに現れなかった

カフェの外に目をやると

馬車ではなく自動車が走っている

人々の服装もジーンズやTシャツに

変わっている

青年は千年遅れてやってきたのだった

昨夜寝たはずだったが

千年の眠りを眠っていたのだった

遅れてきた青年は

そのことにやっと気づく

鈍感な青年なのであった