郊外でのあいびきの次の日
バザールの賑わいが聞えてくる
街中のカフェで待ち合わせることに
ふたりは決めた
娘は青年に心をゆるした合図を
送っていたのだが
鈍感な青年は合図に気がついていなかった
青年は待つのだが
娘はいっこうに現れなかった
カフェの外に目をやると
馬車ではなく自動車が走っている
人々の服装もジーンズやTシャツに
変わっている
青年は千年遅れてやってきたのだった
昨夜寝たはずだったが
千年の眠りを眠っていたのだった
遅れてきた青年は
そのことにやっと気づく
鈍感な青年なのであった