仕事納めまで、あと一日。
うれしいような、さびしいような。
ほっとするような、心残りがあるような。
全部が本当だ。
仕事納めまで、あと一日。
うれしいような、さびしいような。
ほっとするような、心残りがあるような。
全部が本当だ。
どこまでも青く澄んだ、冬の青空。
もう夕方だ。
びわ湖の空を、群れなす鳥が
飛んでいく時間だ。
雁は八百。矢は三本。
たくさん願いをもっていても、
かなうのはひとつかふたつ。
今年もまた、たくさんの願いを
もって始まり、ほんの小さな実りだけが
与えられた。欲張りすぎるのはよくないんだな。
やっぱり。
年の暮れの、しみじみした後悔も
あるけれど、それを忘れて
夕方の青く、また赤い空を
しばらく見上げていた。
陽ざしはあたたかで、おだやかな、風のない、
冬の美しい一日。でも、こういうめったにないほど
気候のよい日の次は必ず雨に決まっている。
それがバランスというものだ。
午後にオーストリア人の知人が訪ねてきた。
「そういえば、Xmas っていろんな所で
見るんだけど、あれはヘンだね」と言うので
どこがヘンなのってきくと、
「英語圏ではChristmas って書くのさ」
そうなんだって。
勘違いというか、間違いというか、
和風になおしたのか。
今朝は早起きしたこどもが多かっただろう。
プレゼントが届けられているかどうか、
わくわくしながら。
夕方、母親に連れられて、インフルエンザワクチンの
注射に来た女の子がいた。案の定、痛くて
泣いた。朝にはサンタさんのプレゼントで
喜んだろうに。
「クリスマスプレゼントをもらうと痛い目にあう」
だなんて短絡していないことを願った。
横断歩道で待っていたら、3人連れの
旅行者らしい人から、道をたずねられた。
バンブーというので、竹林の道を探していることが
わかる。そこで、左に曲がって、まっすぐ歩いて、
と説明すると、すぐに理解してもらえた。と思った。
あとで考えたのは、正しく説明していたのかどうか、
疑問がわいた。もしまちがっていたら、きっと
また誰かに道をきくだろう。
嵯峨と嵐山一帯は観光地なので、
道案内のボランティアがいてもいいなと思う。
サンドイッチマンのかっこうをして
i と書いた大きな札を前と後ろにつける。
格好悪いな、とても。
この頃、1.0だの、2.1だの、と書いてあるのを
よく見るようになった。型式が向上して、新製品に
なったときに、使うようだ。
それなら、連休にも使ってみよう。
世間では3連休のこの週末。
しかし土曜日にも働く身にとっては、
2連休にしかならない。
土曜日は午前中に仕事が終わるので、
0.5の休日とも言える。
だから2.5連休。
きょうは冬至の日曜日。ユズが台所のすみっこに
ころがっている。
夜が更けて、日付が変わる頃、
湯ぶねにつかって、浮かぶユズをくるくると
回しながら、想像するだろう。
もしこどもだったら、
かぼちゃ、たまねぎ、じゃがいも、さといも、
にんじん、ありったけの野菜を湯の中に
入れて、遊ぶんだ。
この寒い風の中、木陰にネコが
一匹、じっとうずくまる。
何をしているのだか。
室内には人間のかっこうをしたネコが
一匹、ストーブの前にうずくまる。
辞書を広げて、難しそうな顔つき。
しかし実際には辞書と戯れているのだ。
七草の次に七癖。
七草と七癖とは隣り合っていても何のつながりもない。
辞書の言葉の並びは無意味そのもの。
意味を集めているのに、出来上がったものは
無意味だなんて。
けれども、実用とは何の関係もない、
その無意味さはまるで木陰にたたずむネコの
ように自由だ。
藤原定家の有名な歌。
見渡せば花も紅葉もなかりけり
浦の苫屋の秋の夕暮
花も咲いていないし、紅葉も
なくなったし。
つまらないなあ。
と定家は歌った。
けれど、私なら、海のそばにいて
秋の夕暮どきの時間を過ごせるなんて
うらやましい。
午後、冷たい風に吹かれて、近くへ用事で
出かけた。
見渡せばコンビニばかり冬の夕暮
半径200メートルの中に、3つ、コンビニが
あるのだった。
見渡せば
何か七文字
冬の夕暮
定家の和歌から俳句へ
いくらでもリメークができそうだ。
用事があって、繁華街へでかけた。
デパートの近くを通ったので、カレンダー売り場を
見てみた。
日曜日始まりのものもあるし、「月」「火」・・・と
漢字で曜日を書いてあるものがたくさんあった。
週休2日の働き方をしているのではないので、
やっぱり週の終りは土曜日だ。
もみじの観光シーズンが終わった。観光地の
このあたりは今年もたくさんの客で賑わった。
歩き方で観光の人らしいとわかることがある。
それは目的地へ向かっていちもくさん、といった
歩き方ではなくて、ぶらぶら歩き、そぞろ歩きを
しているからだ。歩くことを楽しんでいる。
地元民は、早く郵便局へ行かなくては、とか
早くスーパーへ買い物に行かないと、とか
思って、無駄のない歩き方をしている。
そのために、紅葉には目もくれない。
もったいないな。